キッコーマン、理ビタ株売却で純利益倍増、円高響くもしょうゆが健闘

投稿日:8月12日

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(キッコーマン株式会社より)

キッコーマン(2801)が発表した2016年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期比97%増の110億円だった。持ち分法適用会社だった理研ビタミン株(4526)の売却に伴い、売却で得た現金が配当とみなされ、税務上のメリットがある「みなし配当課税」の規定が適用された。これで法人税負担が52億円減った。この点は6月1日に既に発表済み。

売上高は2.1%減の988億円だった。ケチャップや缶詰製品を手がけるデルモンテ部門が、原材料不足の影響を受け大幅減収となった。また中の為替レートが1ドル=109円と前年同期から12円の円高となり、海外売上高を59億円押し下げた。

主力のしょうゆ部門が牽引し、国内では3.3%増収の120億円、海外では円高の逆風の中1.8%減収の160億円と健闘した。豆乳飲料も3.0%増収の81億円と好調も補えなかった。

営業利益は0.8%増の84億円だった。国内食品事業が19%増の19億円と営業増益。営業利益の約半分を占める海外食品事業は、3.4億円の為替差損を跳ね返し7%増の44億円を確保した。

17年3月期通期の連結業績見通しを維持した。売上高が前期比で1.2%減の4,035億円、営業利益が3.4%減の315億円、経常利益が6.5%減の290億円、純利益が20.2%増の240億円となっている。

同社は現在、世界100カ国以上でしょうゆを販売しているグローバルカンパニー。日経産業新聞の取材で国際事業本部副本部長の茂木修常務執行役員は、「中南米は、食文化のしょうゆとの親和性が高いと思う。将来性のあるマーケットの1つだと考えている」、「アフリカも意外とチャンスは早く到来しそうだと感じている」と述べており、これからの拡大に期待が持てる。

また、堀切功章社長は遡ること4月の会見で、近年北米では「グルテンフリー」が好まれ、小麦を使わないしょうゆの売り上げが伸びていることに触れ、「世の中のニーズの変化を捉え、それに合った商品を開発するのがカギだ」と強調する。米国では市場シェアは6割程度もあり、海外しょうゆ事業の売上高に占める北米地域の割合は70%近い。米国動向は今後の業績を下支えすることだろう。

KIKKOMANでお馴染みの同社は海外で「Sauce for Rice ソース フォー ライス」と米にかける醤油を販売する等文化の違いを逆手にシェアを伸ばしてきた。

これは現在取締役名誉会長であり、キッコーマンの創業8家のひとつに生まれた茂木友三郎氏の尽力が大きい。「私たちがアメリカで醤油を広められたのはアメリカで醤油の需要を創造したから。国内外を問わず需要の創造力を強めていく必要がある」と需要の創造を何度も口にする茂木氏。

来年2017年は1917年の株式会社設立以来の100周年の記念年。和食文化を世界に広げるべく、茂木氏を筆頭に知恵を絞る同社の取り組みに注目したい。

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企業分析関連ページ
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■キッコーマン株式会社
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■キッコーマン(2801)株価
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■キッコーマン IR資料
http://www.kikkoman.co.jp/library/ir/library/result/pdf/tan201703_1q.pdf

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■関連ニュース
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「しょうゆ」の次は?キッコーマンの海外戦略 | 食品業界 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
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(文責 金融資産運用設計士補 中村剛啓/なかむら・たけひろ)

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