リストラ一巡後のヤマダ電機、勝機はあるか

投稿日:8月17日

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ヤマダ電気(9831)が16年第1四半期(4〜6月期)の決算を発表、これで家電量販4社が出揃った。

売上高はケーズホールディングスが前年同期比5%増、エディオン、ヤマダ、ノジマ共に、微減だった。また純利益はノジマ以外の3社で増加。

プライスリーダーであるヤマダ電機は、昨年、不採算の約60店を一斉閉店。採算重視の戦略に転換、過度の値引き販売を抑えて客単価を引き上げていることも、各社の収益を押し上げた要因だろう。結果として、昨年以降、日経平均株価を上回る好パフォーマンスを叩き出している。

では、今後の株価推移はどうだろうか。好パフォーマンスとはいえ、2000年代には株価が1,000円を超えていたヤマダ電機。しかし、2010年代に入り500円前後の水準で一進一退を余儀なくされている。理由はシンプルに、インターネットによる購買によるマイナスインパクトにある。

日本の先を行くアメリカをみてみよう。2015年にアメリカの家電売上高ランキングで、アマゾンがウォルマートを抜き、第2位となった。20%の成長率を維持すれば、来年にはトップになる。日本でも数年後に同様になる事は容易に想像がつく。

では、既存の家電量販店は打つ手がないのだろうか。非上場だが、業界5位のヨドバシカメラを見てみよう。

ヨドバシカメラは、堅調にネットでの売上「xn--xck9av8g.com」を伸ばしている。同社は、1998年にECサイトをオープン、当初は8000品目だったが、2015年には、370万品目に。売上高も2010年3月期では、337億7800万円が、2015年には1000億円と伸ばしている。すでに2割近くはネットで売り上げている計算となる。

大きな要因は独自の物流網だ。同社はもともと実店舗でレールサイド戦略を取っていた事から、持ち帰りの機会が少なく、時価の高い駅前店に在庫させる意味の薄かった大型家電を大型物流センターから各家庭へと直送する態勢を構築していたのだ。一方で、ヤマダ電機などでは、ロードサイド店が多い為、地域大型店からの配送になる。

ヨドバシカメラは、この、インフラを通販部門でも利用しさらなる拡充を進めている。具体的には、入金から配達までの時間短縮、そして品質の良い配送とアフターサービス等を強化している。量販店では迷惑でしかなかった「ショールーミング」(店舗で商品を確認しネットで注文する購買行動)の客も取り込む狙いだ。

さらには日用品、食品、書籍、医療品等にまで扱い品目を拡大している。他の大手ECサイトのユーザー層への食い込みも狙いていて、野心的だ。

翻ってかつては家電量販の巨人と言われたヤマダ電機。米国では昨年2月に、家電量販店2位のラジオシャックが経営破綻している。急伸するアマゾンを追い抜く勢いのヨドバシカメラに比べ、期待される材料も薄い。

2011年に「スマートハウス事業」の強化を狙い中堅ハウスメーカー「エス・バイ・エル」を買収し意欲的な目標数値を発表しているが、株価に織り込めるほどの業績とは言い難い。

リストラを好感した株高も一巡した感は否めない。

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(文責 金融資産運用設計士補  阿田祐一/あだゆういち)

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